【GAIN×忌野清志郎】コラボレーション企画
高橋Rock Me Baby × 原田ちあき × SG 特別対談

GAIN × 忌野清志郎コラボレーションにおいて、忌野清志郎氏とはゆかりの深い高橋Rock Me Baby氏とイラストレーター原田ちあき氏、SG氏との特別対談が実現!
(※ ido氏は都合により不参加)

ここまでの世代差のコラボレーションはないと思う

高橋Rock Me Baby:忌野清志郎デビュー50周年-55周年プロジェクト発起人/スーパーバイザーをやっています高橋です。よろしくお願いいたします。

 

原田ちあき:イラストレーターの原田ちあきと申します。よろしくお願いいたします。

 

SG:イラストレーターのSGと申します。よろしくお願いいたします。

 

—-今回のコラボレーション企画は高橋さん的にはいかがでしたか?

 

高橋RMB:これまでに清志郎さんのイラストとか絵を描いた方も、長い歴史の中でいらっしゃるんですけど、全く捉え方が違ったのでとても感動しました。すごく清志郎さんのポップなところが出ていたんで。正直に言うと、清志郎さんのことを適当に扱うような人たちに描かれたものだったらどうしようかなと思っていました。ですけど全く違う方向から球が飛んできた感じだったので、それがすごく嬉しかったです。

 

—-音楽では忌野清志郎さんと世代が違う若いミュージシャンが、共作もしくはコラボレーションすることもあったと思いますが、アートワークメインで、世代が全く異なるコラボレーションはこれまでにあったりしましたか?

 

高橋RMB:いや、ここまでの世代差はないと思いますよ。ただ、清志郎さんは例えば世代が違ったとしてもイラストとかクリエイターの方とかとの仕事はすごい楽しかったみたいですね。今回の作品はとても感動しました。ぜひね、これ着てみんなフジロックとかに行ってほしいなと思います。

 

原田・SG:ありがとうございます。

ユーモアがあってチャーミングでエロティック、唯一無二の清志郎というジャンルの今を表現している!!

高橋RMB:なんかロックバンドの中では“カリスマ”とか“キング”とか“神様”とか言われてるんですけど、ご本人はそう言われるのがすごい嫌いだったんです。あえて「KING」イコール「清志郎 / 忌野 / No / Good」っていう意味で自虐的につけたアルバムがあるくらい自分が王様とか神様って言われることが嫌でした。他にも『GOD』って曲があるんですけど、その曲は絶対的価値観なんかないということを歌っていて、神様が滅ぼしていく地球を神様は地上に降りてきて、自分たちと同じところに立ってこの世界を見てほしいという内容が歌われています。なのでそういうふうに言われるのが本当に嫌だったんですよね。

 

原田そうなんですね。

 

高橋RMB:僕も清志郎さんのリスナーから業界に入って仕事をするようになったんですけど、リスナーとかオーディエンスが見てる感じでバーンと捉えてるんです。やっぱりどうしても変にその神様みたいに崇拝しちゃってる人たちになっちゃうと、清志郎さんの良さが出ないんですよ。相手が勝手にハードルを高く上げてうまくいかないことが多い。それ本人がすごくいっつも嫌がってたんです。だから今回みたいに全く違う感じでやっていただいたのはとても斬新でした。

 

—-なるほど。

 

高橋RMB:じゃあ清志郎さんの良さってどこかなんですけど、彼の一番いいところはユーモアがある。

ユーモアで変な言い方する。ユーモアがあってチャーミングなんですけども、意地悪なところもあって、それでなんかダメだなってところもあって、エロティックなところもすごく多いんですけども今回のお三方の作品はそういうところがとても表現されていて、いいなぁと思いました。

 

原田:ありがとうございます!

 

SG:ありがとうございます!

世代は違いますけど、馴染み深いというかずっとそばにある音楽。

—-イラストレーター側から見た忌野清志郎さんのイメージや出会いのきっかけなどはどのようなものでしたか?

 

原田:私は今年34の歳になるのですが、確かに世代的には直撃というわけではないので、イメージとしては、“あのかわいい格好をしたチャーミングな歌手のおじさま”という感じです。それこそセブンイレブンのCMとかがすごい強いんですけれども。

 

高橋RMB:はい。

 

原田20歳ぐらいの頃、サブカルチャーが好きになって、色々な歌手の方の映像とか拝見させていただいたときに、タイマーズさんのあの『FM東京』の生放送の映像を観て、ほんともうそれがすごく好きで。

 

高橋RMB:僕はあの時は宣伝担当でしたので渦中にいました()

 

原田:あー、そうなんですね!なんか本当ににわかと言いますか……失礼ですけど本当詳しくなくて

 

高橋RMB:いやいや。いいと思います。

 

原田:あの曲が本当に好きで、日常でも口ずさんじゃうくらい思い入れ深いです。

 

高橋RMB:あははは(笑)

 

原田:一昨年に子供を産んだんです。初めてなのでいっぱい子守歌とか歌おうと思って覚えて挑んだんですけど、生んだ後、疲れてしまい用意した曲全部忘れちゃってだから一番最初に子供に歌った曲は『FM東京』でした(笑)。

 

高橋RMB:それは大変なあれですね(笑)。

 

原田:なんです。だからすごく世代は違いますけど、馴染み深いというか、ずっとそばにある音楽を作っていらっしゃる方っていうイメージがあります。

 

高橋RMB: 放送禁止になるっていうのは、清志郎さんの歴史上いっぱいあったんですけど、あの時は雑誌の取材中にタイマーズの曲が放送禁止になったということを聞いて、それであのテレビの生放送で予定になかった曲をやってしまったと。

 

原田:あははは。

 

高橋RMB:『FM東京』ってそれまで一回だけその前の週か北海道のフェスでやったんです。ただその時はまだ今みたいにSNSとかもなかったんで、その曲をやったっていうこともあんまり東京には伝わってこなかったんです。

 

原田:はい。

 

高橋RMB:放送終了後に新聞とかワイドショーとかが一斉にその話題を取り上げて大事件になっちゃって。いろいろ問い合わせが来たり、テレビ局からも写真を送っくれって言われるので、写真を出す用に、東芝EMIの社員も混ざってタイマーズの覆面の写真をいっぱい撮りました。メンバー全員覆面していたんで。

 

原田:あははは。

 

 

高橋RMB:なので実際のメンバーが入っていない3人のタイマーズもいれば、メンバーも入れた10人のタイマーズ、メンバーが二人は入っていない4人のタイマーズもいるような

写真を片っ端から出したんで、例えばあるテレビ番組には3人のタイマーズ、ある新聞では4人、あとどこかの雑誌では10人のタイマーズ。夜のニュースか何かには5人のタイマーズだったり。

 

原田:そうですね。

 

高橋RMBどれが本物だかわからないっていう。そういう清志郎さんのメッセージで「間違った情報に惑わされるな」っていうのがタイマーズの始まりだったんですけど、結果、世の中が混乱してしまった事件になりました。とても懐かしいです。今やったら大変なことになっちゃいますけど。その時期を原田さんが好きでいてくれるのはとても嬉しいです。

自分の好きなものをたどっていくと、絶対に清志郎さんにたどり着く。

SG:私も今29歳なんですけど、なので原田さんと同じようにちょっと世代が違います。

亡くなった後ぐらいにちゃんと認知したというか、それまではもうテレビではもちろん結構派手な格好で出てらっしゃったので。そのイメージがすごく強かったんですけど、完全なリアルタイム世代ではないのでちょっとフィルターがあるような感じで、ずっと見ていて。歴史の教科書に載っている方みたいなイメージがすごい強くて。

 

高橋RMB:はい。

 

SGMr.Childrenの音楽がすごい好きで。ボーカルの桜井さんがBank Bandっていう別のバンドされてるじゃないですか。それで、たまたまRCサクセション『スローバラード』のカバーをされていて、そこで初めてその曲をちゃんと聞いたんです。そこから入ったというか。なので、なんかその自分の中の清志郎さんのビジュアルとスローバラードの曲が全然リンクしなくてこんなすごいバラード調の曲を歌われるって知らなくて、そこで衝撃を受けて。

 

高橋RMB:そうなんですね。

 

SG:自分の好きなアーティストをたどっていくと、そのアーティストの好きなアーティストは清志郎さんみたいなことが結構多かったりします。本当に世代ではないんですけど、一つこう自分の好きなものをたどっていくと、絶対に清志郎さんにたどり着くみたいな。自分の中では避けては通れない方です。

もちろん、さっき原田さんがおっしゃっていたタイマーズのあのFM東京の事件とかも私もネットにすごいハマる時期があって、そこでその動画を見て衝撃を受けて。で、しかもそれが清志郎さんだと最初わからなくって調べていくうちにまたそこに戻るっていう。本当に避けては通れないというか、そういうイメージが凄いあります。

 

高橋RMB:確か桜井さんとは温泉が一緒だったんです。

 

SG:はい。

 

高橋RMB:そう。それでね。その温泉の大宴会場みたいなのがあるんですよ。

 

SG: あ、そうなんですね。

 

高橋RMB:高級温泉旅館みたいなところでみんなで浴衣着て。そこの大宴会場で桜井さんと清志郎さん2人で、その大宴会場のためのユニット組んでライブやったんです。

 

SG2人で宴会場だけでやるライブ(笑)。

 

高橋RMB:それがきっかけになり、その後にスペースシャワーの日比谷野音のイベントで、清志郎さんがトリで、Mr.Childrenがシークレットで出て、アンコールでなんと桜井さんと2人で『ぼくの好きな先生』をやりました。「あの温泉でやってます」みたいなこと言っても誰もそれ知らないんで、全然そのギャグが空を切っちゃったんですけども(笑)。

 

SG: いいお話をありがとうございます(笑)。

 

高橋RMB:まあ世代じゃなく僕なんかもそうですけど、例えばビートルズを知った時に、すでにビートルズは解散してましたし、エルビスプレスリーを知った後ぐらいにエルビスプレスリーは亡くなっちゃったりしてたんで、もちろん生で見たことはないんですけども。でもなんとなく、こう想像すると楽しいこともいっぱいあったりとかするんで。今回描かれた清志郎さんのTシャツを見させてもらって、世代が離れているからこそ描けるっていうのはあるんじゃないかなと思いました。

GAIN
忌野清志郎 × 原田ちあき

GAIN
忌野清志郎 × ido

GAIN
忌野清志郎 × SG

ユーモアとロック音楽のその一番いいところが出てると思いましたね。

高橋RMB:制作時はどういうイメージで描かれたのかをお聞きしてみたいのですが。

 

原田:お声がけ頂いたときに、これはもうFM東京を描かなきゃと。

 

高橋RMB:カセット。テレコ。

 

原田:あははは。なんかいろんなところにこうタイマーズさんらしさと、ラジオとかあとはもう「ピィー」っていう放送禁止とか。

 

高橋RMB:ああ、そうですよね(笑)。タイマーズっていうと原田さんから見てどういうイメージですか?

 

原田:私、旦那がバンドマンなんです。旦那がバンドマンっていうだけで全然音楽に詳しくなくて。

 

高橋RMB:はい。

 

原田:でも本当にロックっていうのは多分タイマーズさんのことなんだろうなと思います。先ほど伺ったそのエピソードや事件とか、立ち振る舞いとかメディアに対するその対応の仕方とか。今、結構ロックバンドって優しい歌とか歌うイメージが。

 

高橋RMB:ああ。まあ。そうですね。

 

原田:ですけど、なんか本当の優しい歌っていうのは多分こういう。なんかタイマーズさんのような。こう気づいてほしいとか、わー、何してんだこいつみたいな風に傍からざっくり見るとそう見えちゃうけど、よくよく見るとこう伝えたいことがきちんとあって、優しさがはちゃめちゃの中にも内包されてるみたいなのがロックなんだろうなっていう風に、私はすごく思っております。

 

高橋RMB:それはとても嬉しいです。本人はやっぱり権威とか体制とかそういう上から来るものがすごく嫌いだったんです。それでバンドマンとか、自分の音楽聞いてくれてる人とか、そういう人たちに対して自分も君たちと同じなんだよ、みたいな。

 

原田:ええ。

 

高橋RMB:だから、あの『偽善者』の歌を歌っても、そういう自分も偽善者なんだってことだったりとか。さっき優しいとおっしゃってくださいましたけど、そういうところが僕も好きですね。まあ当時は僕が始末書いっぱい書かされたんで、たまったもんじゃなかったんですけど。

 

原田:あははは(笑)。

 

高橋RMB:ユーモアがないとダメなんだよってことはよく言ってたんです。原田さんの描いたタイマーズもユーモアがこの作品から出ていたんで。清志郎さんはラブソングのプロテストソング、そしてコミックソングとも言ってました、なのでそういう意味だとそのユーモアがすごく出てて。 これから清志郎を聞いていただく方には是非このTシャツを着て聴いて欲しいですね。

 

原田:ありがとうございます。

 

高橋RMB: タイマーズというとね、ゲリラ的な、もちろんゲリラバンドっていうことは言ってたんですけど、事件の印象がすごく強くて、怖いイメージが多かったんです。そでもそうじゃなく、タイマーズの持ってるユーモアとロック音楽の一番いいところがボーンと出てると思いましたね。

 

原田:ありがとうございます。

 

高橋RMBやっぱりロックはユーモアがなきゃダメなんだってことをいつも言ってたんです。特にこのピーっていうところの横にあるあのジャケットから引用されたと思うのですが、挑戦しているのがとてもいいと思いました。

 

原田:嬉しい。ありがとうございます。

 

高橋RMB: 今コンプライアンスがすごく厳しいので、そんな時代に挑戦しているのが素晴らしいです。

 

原田:あははは。

パンクで可愛い感じっていうのがすごく出ていてとても良いですね。

高橋RMBSGさんの方は、これもまた全然ベクトルが違くて。

 

SG:そうです。 私は清志郎さんのイメージとして、ビジュアルの強さ、楽曲とその生き様みたいなところを描くとしたらどれかなって思った時、やっぱりビジュアルにすごい惹かれる部分があって。もともとパンクファッションとかがすごい好きで、自分の制作でもずっと描いているんです。だからそこにスポットを当てさせてもらって書こうかなと思って。

 

高橋RMB:はい。

 

SG:やっぱり自分の憧れとして、やりたい格好をする。なんかやりたいようにするっていうところにすごい憧れがあって、そういうところを前面に出せるようなデザインにできたらなと思って。本当にビジュアルファッションを前面に出して描きました。

 

高橋RMB:あー、でもすごいね。これ、とてもいいと思います。

 

SG:ありがとうございます。

 

高橋RMB:まだ全然有名になる前で、お客さんが少なかった時期に。

 

SG:はい。

 

高橋RMB:ちょうどパンクの後ぐらいですかね?78年ぐらい。パンクの影響もあって、髪の毛を自分で切ったりとか。あと当時は、文化屋雑貨店でいろいろ買っていたらしいです。

 

—-原宿の奥の方ですよね?

 

高橋RMB:ええ、奥の方です。いろんなもの売ってるんですよ。 そこに行って片っ端から派手なものを買ってきて、荷物に貼り付けて、それで出てきたんです。さっきSGさんのおっしゃったように、当時のパンクとニューウェーブが混ざったみたいな変な感じが良かったですね。

 

SG:はい。

 

高橋RMB:清志郎さん本人もちょっと女の子みたいなところがあるんで。女の子みたいな素振りはしないんですけど、チャーミングで可愛い感じがあるんですよね。だから、激しい歌を歌っていても可愛いっていうのはね。年下の僕なんかが見ても可愛い感じがあったんで、それが魅力的でした。パンクで可愛い感じっていうのがすごく出ていてとても良いですね。そう、こんな感じでした。

 

SG:ありがとうございます。

 

高橋RMB:あとね、特にこのメイクの感じがそうなんですよ。これよく言ってました。メイクの時に「端をね、上に上げるんだよ」って。あと、そう。チークもここに入ってたんですよ。これぐらい効果入ってたんですよ。

 

SGでも

 

高橋RMB:大人になるごとに青系のアイシャドウとかが多かったんです。上の絵は青になってるんですけども、下の絵のピンクとかはね、この系統の色は若い頃多かった。

 

SGなんですよね。

 

高橋RMB:目の感じとかもね、またいいですね。あと髪の毛の感じも全体的にこう立ってる感じがね。あの頃みたいでいいですね。

 

SGありがとうございます。

エキゾチックでアバンギャルド

—-今回対談には参加できなかったidoさんですが、こちらのデザインはいかがでしたか?

 

高橋RMB:原田さんのタイマーズがユーモアって部分がバンと出ていて、SGさんはロックの部分と彼の持ってるパンクなところが出ていて。このidoさんのはエキゾチックなところが出てますね。アバンギャルドなところが。

 

—-なるほど。

 

高橋RMB:清志郎さんの音楽の魅力のひとつに内省的なアバンギャルドな部分があります。ご本人はフリージャズが好きだったりとか、例えば前衛音楽みたいなものを好きだったりとかするんです。

 

—-ええ。

 

高橋RMB79年のインタビューで最近聴いている音楽で、James Chance and the Contortionsと答えているのですが、それはノーウェーブと呼ばれていたアバンギャルドな音楽でした。ジャズではRoland Kirkという34本の管楽器を一斉にボーンと吹く人なんですけども、ジャズのレコード会社担当者にその話をしたら「さすが、清志郎さん、ブッ飛んでる」と!

で、ご自身の歌の中にもそういうちょっと前衛的な歌が結構あるんですけど、idoさんの絵にはその部分がすごく出てると思いますね。なので、忌野清志郎さんの魅力の一つ、エキゾチックでアバンギャルドなところが出ていて面白いと思います。

 

—-ありがとうございます。三者三様でそれぞれ別の魅力を表現していただきました。

 

高橋RMB:うまく言えないんですけど、感じるものがあったというか絵からメッセージが飛んできました。清志郎さんも絵をよく描いてたんですが、音楽と絵がやっぱり近いんだなって思いました。小説とか映画になるとある一定の時間が必要になってくるんですけど、音楽と絵の場合は見た瞬間、聴いた瞬間にボーンと入ってくれますよね。いいと思ったらそれがはじまりなんで。いいと思った後の理由なんかないじゃないですか。だからTシャツが出来上がるのがものすごい楽しみです。ここで皆さんが作った作品を通して新しいリスナーが入ってきてくれるんじゃないかなってすごく思っていて。その切り口でなにか色々やってみたいなってすごく感じました。

 

原田・SGありがとうございます。

ADDICTION OF GAIN

—-また、GAINブランドとは別ラインで、作家独自の世界観にフォーカスしたブランド【ADDICTION OF GAIN】が立ち上がります。今回コラボレーションした各イラストレーターが「音楽」をテーマに描き下ろしたイラストを使用したTシャツも同時発売します。

 

高橋RMB:これ最高ですね。これでもう凄く良いじゃないですか!こちらの方もみんなそれぞれの個性が強いイラストになっていて。

 

—-はい。

 

高橋RMB:あのお二方にお聞きしたいんですけども。色がお二方ともすごくビビッドというか、色でも主張を感じるんですけども。僕なんかの世代だとモノクロの絵がすごく多かったんですね。バーンって色が来るのはものすごい印象的なのと、それだけでガーンと吹き飛ばされた感じになるんですが、その色を選ぶにあたって意識的にやられてたりしているのか、ちょっとお聞きしたいです。

 

原田:もともと色塗りがすごく苦手でそれこそ駆け出しの頃にweb漫画を描かせていただく機会があって、そこで担当さんにwebは色がいっぱいないと読んでもらえないよって言われちゃったんですね。で、最初は苦戦しながら塗ってたんですけど、なんかハチャメチャな顔を青とか髪の毛ピンク色とかに塗って投稿するようになったんです。そうしたら塗らなくていいよって、言ってくれるかなと思ってやってたんですけど、なぜかそのうち全然言われなくなっちゃって(笑)

 

高橋RMB:(笑)

 

原田:なんか逆にこう変な色使うのがあなたでしょ?みたいな風にそれが初めて色使いで褒めてもらえたというか。なんか認めてもらえた経験で、そこから結構ビビットな色を使って顔の色とかめちゃくちゃに塗るようになりました。

 

高橋RMB: なるほど(笑)。SGさんの方は?

 

 

SG:作業の比重として線画の作業の方が時間がかかる方で。見てもらうとわかると思ですけど、結構太い。

 

高橋RMB:はい。

 

SG:マジックで描いたみたいな線で書くことが多くて、抑えめに色を塗ってたんですけどそれだけだとちょっとその線に負けるなみたいな。色でも主張しないとダメだなって思う時期があって、それでちょっと少しずつ転出を変えてて。

 

高橋RMBはい。

 

SG:最近はもうずっと色でもはっきりさせて、線もはっきりさせてみたいな。完全に自分の好みではあるんですけど、徐々にそういう風になっていきました。

 

高橋RMB:なるほど。

 

SG:はい。

 

高橋RMB:以前、清志郎さんに聞いたときに、誰の影響そういうふうに派手にしたんですか?って聞いたんですよ。そしたらとにかく目立たなきゃダメだと思ったんだよと。で、目立てば“あれはなんだ?”と思って聴いてくれると思ったというので、当時のバンドのキーボードのG2って方がいたんですけどもその方もゴンタ2号って名前にして同じようにメイクして、それでみんなで派手な格好をしたって言ってましたね。

 

原田SG:えー!

 

高橋RMB:だから色はまあ、清志郎さんがおっしゃったように、自分の音楽として太いものを持っていてもなんか全然聴いてくれないから、もういろんなもの、とにかく派手だと思うものは全部身につけた。そしたら聴いてもらえるようようになった。

 

原田SG:ええ。

 

高橋RMB:それで、結局ずっとメイクしてあの派手な格好してたと。2006年に大阪でファンクラブの集いがあって、その時に当時のファンの方のお子さんからの質問で「どうしてお化粧してるんですか?」っていうかわいい質問に清志郎さんはにっこりと笑って「これで売れちゃったからなんだよ」って言ってました(笑)。もうやめらんなくなったって言ってましたね。やめたいと思っても。それで売れてしまったんで(笑)。

 

原田SG:(笑)

 

高橋RMB:でも、多分好きだったんだと思います。いいですよね。色があるっていうのは、なんか明るい気持ちになりますよね。お二人の作品そうですけど、バーンって色が入ってるので、なんかエンターテイメントですよね。バッて開くっていうか。ああいう明るい色が入ってたからで、かかわいいって感じになって。

 

原田SG:はい。

 

高橋RMBだから色は、例えば感情みたいなものがいっぱい入ってて。色がパッと入ってるだけで、ポップになったり、チャーミングになったりとかそれがいいなと思います。ちょっと今お二方からお聞きして色って重要なんだなって。

 

原田SG:ありがとうございます。

 

高橋RMB:原田さんのこのテレキャスターが

 

原田: はい。

 

高橋RMB:これすごいかっこいいですよね。クラッシュのジョーストラマーのテレキャスターのようで。これなんかモデルとかあったんですか?

 

原田:これはあの癒着なんですが、旦那のあのきっぱさのギターに写真をもらって。なんか描きたいんだけど、いい写真はないですかっていう。実際に送ってもらった写真を見ながら。

 

高橋RMB:あーあーあー。あと、セリフはちゃんとこうね。“傷つけられるたびに、私は、美しくなるの”よって。ギュイーンってこれがなんか町田康さんのようで(笑)。

 

原田:うれしい!

 

高橋RMBSGさんのもまた違う感じですね。これは普段モデルの方いらっしゃるんですか?

 

SG:いや、全くいないですけ。自分にとって音楽は聴く側でずっと生きてきたというか。本当に毎日ずっと聴いてるので聴く側としてのイラストを描けたらなと思って描かせてもらいました。

 

高橋RMB:あーなるほど。これ、イメージとしては何を聴いているとイメージですか?

 

SG:イメージはそうですね自分が好きだからっていうのはあるんですけど、メタルを聴いてるイメージです。

 

高橋RMB:なるほど。海外のバンドですか?日本のバンド?

 

SG:海外のメタルバンドが凄い好きで。日本のももちろん好きなんですけど、

 

高橋RMB:誰とか?どういったものですか?METALLICAとか?

 

SG:そうですね。METALLICAとかKoЯnとか好きです。

 

高橋RMB1999年にKoЯnのライブを体験しました。かっこよかったです。同じころ、Marilyn Mansonも!

 

SG:本当ですか。

 

高橋RMB:凄かったなー。

 

SG:私もMarilyn Mansonが凄い好きでめちゃくちゃ羨ましいです!

 

高橋RMB:最後にあの有名なシーンも

 

SG:あー羨ましいです!めちゃくちゃ!

 

高橋RMB:そのちょっと前にMETALLICAも来て。METALLICAはライブ長かったなー。二時間半くらいだったと思います。

 

SG:なるほど。

 

高橋RMB:リロードの頃ですね。まあなんかアメリカのおじさんのルックスだったんですけど。だけどね、KoЯnとかMarilyn Mansonは全盛期でした。

 

—-髪が短くなった頃とかですよね。

 

SG:そうそうそう。カッコイイルックスですね。

 

高橋RMB:そうだね。

 

SG:羨ましい。

 

高橋RMB:いやいやいや、僕もあの辺は現在も好きですよ。

 

—-高橋さんがその辺を好きなのは意外です。

 

高橋RMB:好きですよ。あとね、at the drive inとかね。nine inch nailsも良かったですよね。

 

SG: 好きです!

 

高橋RMB:そうそう、 あの辺りはね、僕もよく観に行ってました。

 

SG:そうですね。

 

高橋RMB:この感じが今言われてイラストに出ているのがなんかわかります(笑)。

夢をいつも追いかけて、一つ現実になったらまた次の夢に行く

—-もし高橋さんが、清志郎さんのキーワードを一つ選ぶとしたら何ですか?

 

高橋RMB:やっぱりの清志郎さんっていうと、「愛し合ってるかい」ですかね。

 

原田SG:はい。

 

高橋RMBMCがすごく有名でね。なんかそれですごく印象的だったりとかするんですけども、「勇気を出せよ君の人生だろ っていうのもとてもいいと思います。あとはいやー、ちょっと難しいですね。

 

—-名言がありすぎるところで迷いますけど。

 

高橋RMB清志郎さんはいつもどんな時も、僕はこう思うけど、君はどう思うんだい?ってやさしく問いかけてくれる。そこがよかったですよね。自分の考えを押し付けるとかじゃないので、こう僕はこう思ってるよっていうことを。だからあの「勇気を出せよ。君の人生だろう」っていうのも、確かにその通りで。

 

SG:はい。

 

高橋RMBあとは、絶対諦めなかった人だったので「夢を持つ」「夢を現実にする」「絶対諦めない」っていうことがすごく大切だなと思いましたね。俺にもできたんだから君もできるよっていう。夢を見るってことはすごく大切だってことはいつも言ってました。僕は本当にその通りだなって思います。やっぱり夢見たりとかしてるから、こう楽しく生きられたりとかね。 夢まで取り上げられちゃったらなんか寂しいですよね。

 

原田SG:はい。

 

高橋RMB:夢っていうと『Like A Dream』っていう歌があるんですけども、夢のようなことばかりしてきてごめんねっていう歌詞なんですけど、奥さんに歌ってるのか?友達に歌っているのか?恋人に歌ってるのか?バンドのメンバーに歌ってるのかわからないんですけど夢をいつも追いかけてた人で、一つ現実になったらまた次の夢に行くっていう。それはいいなと思います。

 

—-同世代というか、リアルタイムを知っている世代の高橋さんから自分達みたいに、後半の方を知らなかったり、今の若い1020代前半は多分生きてる頃を知らなかったりするじゃないですか。でもその中で今回のように世代を超えて形でクロスしたり出会ったりするのは、

 

原田・SG:ええ。

 

高橋RMB:一枚の絵でも人の人生を変えちゃうことって絶対あると思です。僕の好きな写真家、有賀幹夫さ撮ったローリングストーンズや清志郎さんの写真は見た瞬間に心の景色が一変する。清志郎さんも、ゴッホとかピカソの絵見てすごいなと思って、それで本当は漫画家になりたくて、プロの漫画家さんのところに弟子入りしに行ったけど出来なかったっていうエピソードがあるみたいなんです。でも、本当に自分の好きなことをやられているんで、いいなと思ったんです。

 

原田・SG:ええ。

 

高橋RMB:若い方には本当に好きなことをやって欲しいです。なかなか上手くいかなくても、必ずチャンスが来ます。そして応援してくれる方や理解者が現れる。だからやり続けてほしい。その人にしかない人生があるんので、それを貫き通してほしいと思います。それこそが最高の幸せだと思います。 全員が全員同じ人生歩む必要はないので。今回皆さんの作品を観て本当に感動しました。

 

原田SG:ありがとうございます。

ADDICTION OF GAIN
原田ちあき
「お前の為に絶対泣かない」

ADDICTION OF GAIN
ido
「Loop」

ADDICTION OF GAIN
SG
「SPIRIT」